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独創的な文章は「視点」から

「雪は白じゃない」

私が中学の頃、美術講師の方に言われた一言です。

その時私は雪山を描くために、白の絵の具で白のキャンパスに塗っていました。
確かに私達の見る雪は紛れもない白です。

しかし、雪山の写真をよく見てみると、多くの場合、白ではありません。
空の色が写り、薄い青、ないし灰色になっています。

こんな事、普段生活している中ではなかなか意識する事がありません。しかし「私達が気づいていないだけで、実際に描写する時にはこの目が必要なんだ」と講師の方から教わりました。

 

これは絵画の話ですが、文章にも近い部分があります。

例えばこの雪の例を踏まえた上で、下の文章をご覧下さい。

1.「私達が外に出ると、辺りは一面の白い雪だった」
2.「私達が外に出ると、辺りの雪は薄い青色をしていた」

 

1の文章ではありがちな表現のため、あまり誰も気には止めませんが、
2の文章では何故雪が青いのかと一瞬考えさせられます。

また、外に出た時には晴れ渡っていて、空が青いのだなというイメージも持ってもらえます。

一つの文章でさっと読み飛ばされるか、あるいは一文で「雪がある事」と「この日は晴れていた事」の二つを訴え、綺麗な青のイメージを持って頂き、更に少し目を止めてもらえるか。

ここにその文章の持つ力関係があるように思います。

 

力のある文章は読者様の目を引き、一瞬その場に止める事が出来ます。そうでない
文章はわりと読み飛ばされ、全体の一部になります。

小説家の場合、いつもこんな「力のある文章」を書いていると、非常に
うるさい作品になります。

小説では適度に単純な文章で話を進め、自分が
アクセントとしたい(特に重要な)シーンにこうした「人の目を引く文章」を置く事で、本当にあなたが大切だと思う部分に読者様の目を止める事が出来ます。


そうする事で、あなたにとって重要な部分と読者様の印象に
残った部分がぴったりマッチングする助けになるかと思います。

 

力のある文章を書くためには、まずは「視点」が重要になります。

普通にぱっと見るだけでは「雪は青い」というような、独特の
視点はなかなか得られません。

視点を変える方法は正に人それぞれですが、私の場合、
「長い時間見続ける」という方法を使っています。

何十分と見ているとそれが頭に焼きつき、家に帰った後でも写真のように思い出せます。それくらいじっと見つめていると、普段では気付かない点に気付いたり、いつも何も感じないところに違和感を持つ事が出来るため、視点を変えやすくなります。

何か視点が変わったなと思ったら、すぐにそれを言葉にする。

これを繰り返すだけでも、視点を変えて文章を書くクセがつきますので、人目を引く文章が生まれやすくなります。

独特の視点を持った文章というのは人の目を引きます。
普段の生活の中で何気なく見ているもの、感じているものを、あらためて違う視点で見つめてみる習慣に、ぜひトライしてみてくださいね。