小説力を上げる習慣 読者との関係

「読者の読みたいもの」を考える事も大切

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  「 例えば誰か一人の命と引き換えに世界を救えるとして、
    僕は、誰かが名乗り出るのを、待っているだけの男だ 」
                    
                    By Mr.Children 「HERO」

 

ミスチルの「HERO」という曲の一節ですね。
例えばこの歌詞をご覧になられて、どう感じられますでしょうか。

ある人は、「みっともない。ただの臆病者だよ」というでしょう。
ある人は、「自分も、本当はそうだ。口にはしないけれど」というでしょう。

どちらも正解なんですね。

そして、物語を作る時、このどちらを選ぶかで、作品の方向性も
決まってくると思うのです。

といいますのも。

例えば、上のような「自分を犠牲にすれば誰かが救われる」という状況の場合、
ここで素直に迷いなく「自分が犠牲になります」と言えるのは、
ジャンプのような少年誌の作品や、あるいはファンタジー系の小説が多いように思います。

この場合、主人公は大抵が、勇気あるリーダー肌の人間が多く、
それを引き受けられる強い人間である場合が多くなります。

 

そして逆に。
このような状況になった時、「ほかの誰かが名乗り出るのを待つ」というのは
文学作品など、素直に「明るい作品」とは言えない系統に多くなります。

全てがそうなのではなく、あくまで
そういう傾向がある、というお話ですが。

 

では、何故そうなるのか。

それは、「作品に求められているものが違うから」なのだと思います。

漫画やファンタジー小説に求められているのは「理想的な物語」です。

自分ではそうは出来ないけれど、こんな事が出来たら、こんな人がいたら…
という「あこがれ」や「理想」の姿が求められます。
(求められる事が多い、の方が正しい表現でしょうか)

読み手もそういう非日常を求めて、このジャンルを読む事が多くなりますよね。

 

逆に。

文学などに求められるのは「本質」です。
言い換えれば、「リアルさ」です。

本当に自分が「誰か一人の命で世界を救う」という状況になれば
やはり誰でも、基本的に「誰かが名乗り出るのを待つ」を選ぶかと思います。
(私ももちろん、そうです)

それが人としての本質ですし、これを書くのが文学というジャンルに
求められている事だと思うのですね。

 

正直に書く側の考え方で言いますと。
重いものを書くのは辛いですし、やはり自分の作品ですから、そこに
自分の理想を入れたくなります。

先ほどのミスチルの歌詞の例で言えば、
「自分が犠牲になってでも、誰かを救いたい」と書く方が
気持ちが良いですし、そうしたい気持ちに駆られます。

しかし。

そんな時は、読まれる方の事も考えてほしいのです。

読者があなたの作品(文章)を読みに来るという事は、
一体、何を読みたくて来ているのでしょうか。

 

文学的な物を読みたくて来ているのか、それとも非日常や、勇気が
ほしくて、あなたの文章を見にきているのか。

相手が何を読みたがっているかを、考えてみると、
自分が一体どんな文章を書いていけば良いのかは自然に見えて来ますよね。

書くという事は、自分の考えをしっかりと持って、
それを軸にして行く事が一番大切です。

しかし、やはりどうしても迷う時や、書き疲れる事もあるものです。
スランプが頻繁にやって来るという方も多いでしょう。

そんな時は、一度ゆっくりと読者の事も考えてみてください。

自分がどんな文章をお届けしたくて、どんな文章を読んでほしくて
書いているのか、そこを振り返ると、迷いも晴れてくるかと思います。

つい手が止まってしまった時には、ぜひお試しください。

 


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