読者との関係

読者との距離感を知っておく

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小説には、どうしても自分の好みが入ってきます。

それはもちろん個性ですから、ぞんぶんに入れても構わない、と私は思います。

 

しかし、好みを入れる時に考えておきたいポイントがあります。

それは、「読者と自分との違い」です。

 

例えば、自分が音楽好きな人間であれば、作品の中でつい自分の好きな音楽の歌詞を入れたりしたくなりますよね。
その心理はよく理解できますが、これはやや危険とも言えます。

 

その理由が、「その歌への想い入れの違い」です。

例えば綺麗なバラードがあります。自分はその歌の歌詞が好きだとします。そうすると小説の中で主人公にその歌詞を口ずませるシーンを作りたくもなります。

しかし、ここが問題になります。

まず、作者のあなたが、「この歌は恋の素晴らしさを歌ったものだ」と思っていても(実際にそうであったとしても)
その歌を失恋した時に聞いていた方も読者様の中にはいます。
あるいは単にその歌手が嫌いだという人もいます。

 

そういった人を前に「この歌を歌った」と、小説の中で単純に書いてしまうのは危険だと思いませんか?

もちろん、誰が相手であろうと自分がこの歌のすばらしさを伝える事ができる、という強い自信と堅い信念が
あれば構わないと思います。それもひとつの挑戦です。

 

しかし、その小説がその歌のすばらしさを書くための小説でないなら(その歌がなくても構わないのなら)
やはり、引用しない方が無難だと思います。

 

読者様と自分の想いは必ず同じとは限らない。読者の中には様々な人がいる。

自分が伝えたかったメッセージが、伝えたかったように伝わるとは限らない。

これが小説の大原則です。

 

「この歌のこの歌詞なんだから、悲しく感じるに決まってる」

という先入観や思い込みをはずして、100人が100通りの読み方をする事を

いつも覚えておく事が大切です。

 

その上で、小説の文章を考えてみる。

この考え方を持っているだけで、読者様に(自分の思いと)全く違ったメッセージが伝わるというすれ違いが大きく減らせるのではないでしょうか。

 


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