« | »

言葉の持つ雰囲気を使い分ける

作品の雰囲気を何が作るかといえば、まずストーリーが浮かぶはずです。これは当然といえば当然です。

しかし雰囲気を作るもうひとつの大切な要素。それは間違いなく「言葉」です。

 

一人称にするか三人称にするかで同じ作品でもずいぶん違った感じに見えますが、その理由も、この「言葉」です。

 

一人称ではどうしても口語調にならざるをえません。逆に三人称はナレーターの言葉ですから口語調になってはいけないというルールがあります。
口語と文語では当然、雰囲気は大きく変わります。

ここまではよくある話ですが、ここからがポイントです。

 

同じ一人称でよく似たストーリーでも雰囲気が違うという例がありますよね?

これが「言葉選び」の結果です。

物書きは、必ずこの「言葉選び」の問題に直面します。

 

少し具体的な表現例を見てみましょう。雪のシーンを表現してみます。

1.その日は朝から雪がちらついていた。

2.白い粉のような雪がゆらゆらと降りてきて、積もる前に消えていく。

3.銀の粉粒が風を間を縫うように舞い、軟着陸しては姿を消す。

いかがでしょうか?

まず1番はそのままです。これでは少しそっけない感がありますよね。
2は少し詩的な感じのする一人称、
3は三人称のナレーションで使われる事が多いタイプです。

 

では、それぞれどの点が違うのでしょうか?2と3を比べてみましょう。一つの事実に二つの言い方がある事がわかります。

 

2「白い粉 」 = 3「銀の粉粒」
2「ゆらゆらと」 = 3「風の間を縫うように」
2「積もる前に」 = 3「軟着陸」
2「消えていく」 = 3「姿を消す」

このように、言葉をいくつか変えていくだけで、文章から生まれる雰囲気は大きく変わります。

 

簡単な例を一つ挙げただけですので、表現は他にも多くあるはずです。
百人いれば百通りの表現があると思います。

百通りの言葉選びがあり、それはあなたが少し意識するだけで、幾らでも変えられるものだと思います。

あなたなら、この雪の表現をどういった文章にするでしょうか?

そこで思い浮かぶ文章の雰囲気が、あなたの個性になるのだと私は思います。

ぜひ一度、自分なりの表現にトライしてみてくださいね。