プロット、企画 伏線をはる

伏線のアイデア

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先日、友人から一冊の本を借りました。レイモンド・カーヴァー著
「愛について語るときに我々の語ること」です。
その中の一節にこのような文章がありました。

 

<以下 抜粋>

 

「メアリと子供達は元気かな?」と父が訊ねた。
「みんな元気だよ」と僕は言った。嘘だ。
彼は白い菓子袋を開けた。
「お土産に持ってってもらおうと思って買ってきたんだ」

<抜粋ここまで>

 

この「嘘だ」の一言が非常に淡白ですが、上手いポイントですよね。

私の場合、普通こういう嘘をつくシーンでは、「僕は嘘をついた。それは…」
のように、長々と解説しがちです。どうしても自分の考えている事や
ストーリーに入り込んでもらうためにも「書かないと!」と思ってしまうタイプです。

ですが、レイモンドさんのように、逆にこうして理由も背景も全く説明せず、
突然「嘘だ」と言い、そのまま流して次の文章へ行く。

非常におもしろい伏線技だと思います。

 

小説の場合、何でもかんでも説明してしまうと伏線が張れなくなってしまいますよね。
また、小説の創作本にも何度か「常に小説には謎を幾つか作っておいた方が良い」
という文章もありました。

推理小説以外では、謎だらけの文章というのは読んでいて苦しくなる時がありますが
逆に上の「嘘だ」のように、「なんとなく理由は察せるけれど、それはハッキリと
書かれていない」という文章の場合、気にはなりますが苦しくはなりませんよね。

こういった文章は、謎で少し興味を引き、読者の皆様にも覚えていてもらえるという
効果があるのかな、と思います。
皆が「嘘だ」の意味を考えながら読んでいきますので
後々、伏線としてもかなり使えます。

 

例えば、「みんな元気だよ」と嘘をついた。それなら、小説の後半で
みんなが元気ではなくなった事件を書く事でこの台詞は十分に伏線となりますよね。

私などはストーリーや背景はどうしても見てもらいたくなりがちなのですが
あえて話さずに謎のまま置いておくというテクニックも、小説全体の中では
かなり有効な一言になるかと思います。

もし「伏線をどう張ろうかな」とお悩みの時は、今どこかで説明している部分を
隠し、それを少し冷たいくらいの淡白な文章で謎にしてしまう事で、解決法が見えるかも知れません。

ぜひ一度、お試し下さい。

 


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