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嬉しい感想、悔しい感想の受け止め方

「嬉しい」と「悔しい」

作者のあなたが読者様から感想を頂いた時、一番最初に出てくる感情はこの二つのどちらかだと思います。その後、作品への再考や書き直しの検討、次へどう活かすかという迷い、そういった「これから」について考える事でしょう。

 

さて。では頂いて「嬉しい感想」と「悔しい感想」。

あなたはどちらを望んでいるでしょうか?

 

人間ですから、やはり嬉しい感想が良いに決まっています。文章が上手い、考えさせられた、感動した…こういった感想はあなたの次の作品へのモチベー ションを一気に押し上げます。こういった感想は必ず大切に保存しておくようにしましょう。私のメールソフトにも読者様から頂いた感想を保管している「感想 フォルダ」があり、かなり古い作品の感想も全て保存してあります。
読み返す事は少ないですが、自分が書いている意義をもう一度確認できる大切な場所になる事でしょう。

そして。

人間だからこそ、なるべくもらいたくないと思う「悔しい感想」。

その多くは批判だと思います。文章が下手、何を言いたいのかわからない、キャラクターが弱い、つまらない。こういった事はなるべく言われたくはないものですよね。

しかし、ビジネスの世界しかり、スポーツの世界しかり、小説の世界しかり。

本当の実力者を育てるのは「嫌な感想」です。

 

読み心地の良い感想はあなたのモチベーションを上げますが、同時にあなたを自信過剰にもしてしまいます。

心はおだてられると嬉しくなり、そして自分はそれだけの価値がある人間だと思うようになります。言ってみれば温かいお湯の中でぼうっとしている状態です。 あまりにその中に長くいると、外に出るのが嫌になります。いつまでもこのお湯の中にいたい…と思うようになってしまいます。
「幸せ」という観点で言えば、これが一番幸せな状態なのかも知れません。嬉しい事を数珠繋ぎにして、いつまでもそうしていたい。そう思うのが自然です。

 

しかし、小説家として「上手くなりたい」と思われる場合。

本当に自分の実力を高めたいと思うのならば、むしろ心が「嫌だ」と思う、悔しい感想を何度も読み返してみましょう。決して、批判の感想だからと言って一度読んだきりで削除したり、フォルダの奥にしまわないようにしてみて下さい。
必ず何度も読んでみて下さい。

そして、何が悪かったのか、次の作品ではどのように変えれば良いのか。
それを真剣に何度も検討してみて下さい。そこで出たあなたなりの答えは必ず次の作品に活かされます。

長く小説を書いていると散々な感想しかもらえない事もあります。

私も、自身の短編小説「青い薔薇」ではその経験を味わいました。

今までの作品では「嬉しい感想:嫌な感想=8:2」くらいの比率でしたがこの作品では「嬉しい感想:嫌な感想=1:9」くらいでした。とにかく数多くの批判を頂きました。
もちろん書き上げた時、自分では最高の作品が出来たと信じているのです。しかし、自分の言いたい事は言葉足らずで伝わらず、こうした結果になっています。

こうした感想を頂くと一気にやる気をなくされる方も多いと聞きますが、私は逆にこういった感想が次へ繋がるのだと思います。ここで教えて頂いた間違いを次には正していく…その繰り返しが大切ではないでしょうか。

人によって作品の感じ方は変わります。一人の読者様が「良かった」と言ったポイントを他の読者様は「最悪だった」と言われます。どれが正しいのではありません。

あなたがどう考えるか、が大切な事になってきます。

あなたが「正しい」と思えばそれは次の作品でもそうして良いと思います。「違うかも知れない」と思えば次の作品で変えてみれば良いのです。

小説は試行錯誤です。数学のように正しいひとつの答えがある訳ではありません。皆がそろって良いと言う文章も小説もありません、残念ですが。

感想はあなたのバランス感覚を養わせてくれる最高の手紙です。嬉しいお手紙、悔しいお手紙、それらを自分の中でしっかり消化しましょう。

良い感想だけを読み返し、悪い感想は削除…こんな事は絶対にせず、どのお手紙も大切にしていきましょうね。